なめらかな関数の延長定理



定理

$I$を$\mathbb{R}$の開区間とし$a\in I$とする.$g\colon I\setminus\{a\}\rightarrow\mathbb{R}$を$C^\infty$-級関数とするとき次は同値:

  1. $g(x)$は$x=a$で連続になるよう延長できて,このとき$I$全体で$C^\infty$-級になる.
  2. $\forall m\geq 0$に対して$g^{(m)}(x)$は$x=a$で連続になるよう延長できる.
証明

$2. \implies 1.$ 略
$1. \implies 2.$ 帰納法で示す.まず1.より$g(x)$は$x=a$で連続になるよう延長できる.$g^{(m)}(x)$ ($m\geq 0$)が$x=a$において値が存在して連続であることまで言えていると仮定して$m+1$のとき考える.1.とロピタルの定理により
$$\lim_{x\rightarrow a}\frac{g^{(m)}(x)-g^{(m)}(a)}{x-a}=\lim_{x\rightarrow a}g^{(m+1)}(x)$$
が成り立つ.なお上式の極限は収束する.よって$g^{(m+1)}(a)$は存在してさらに
$$g^{(m+1)}(a)=\lim_{x\rightarrow a}g^{(m+1)}(x)$$
が言えたので,$g^{(m+1)}(x)$が$x=a$において連続であることも分かる.$\square$