パラコンパクト空間


定義

$X$を位相空間とし,$\{U_i\}_{i\in I}$, $\{V_\lambda\}_{\lambda\in\Lambda}$を開集合族とする.

  1. 各$\lambda$に対してある$i$が存在して$V_\lambda\subset U_i$を満たすとき,$\{V_\lambda\}_{\lambda\in\Lambda}$は$\{U_i\}_{i\in I}$の細分であるという.
  2. 各$x\in X$に対して$x$のある開近傍$W$が存在して,$W$と交わる$V_\lambda$が有限個のときに$\{V_\lambda\}_{\lambda\in\Lambda}$は局所有限であるという.
  3. 任意の開被覆に対して,その細分であり局所有限な開被覆が存在するとき$X$はパラコンパクトであるという.

命題

従属選択公理の下で,ハウスドルフ局所コンパクトリンデレフ空間はパラコンパクトである.

証明

$\{U_i\}_{i\in I}$を任意の開被覆とする.各$x\in X$ごとに相対コンパクトな開近傍$V_x$でどれかの$U_i$に含まれるようなものが取れる.$X$はリンデレフなので,$V_x$から可算個選んで$\{V_n\}_{n\in\mathbb{N}}$が$X$を覆うとしてよい.
$n_0=0$と定義し,自然数の増大列$0 < n_1 < n_2 < n_3 < \cdots$を
\[\bigcup_{k=1}^{n_j}V_k \supset \bigcup_{k=1}^{n_{j-1}}\overline{V_k}\]
を満たすように帰納的に定義する.$\bigcup_{k=1}^{n_{j-1}}\overline{V_k}$はコンパクトだからこれは可能である.
$\{V_l\setminus\bigcup_{k=1}^{n_{j-1}}\overline{V_k}\mid l,j\in\mathbb{N}, 1\leq l\leq n_{j+1}\}$は局所有限でかつ$\{U_i\}_{i\in I}$の細分になっている.これが$X$を覆うことを示そう.$x\in X$とする.$x\notin\bigcup_{k=1}^{n_{j-1}}\overline{V_k}$かつ$x\in\bigcup_{k=1}^{n_j}\overline{V_k}$となる$j\in\mathbb{N}$をとる.$n_{j+1}$の定め方により$x\in\bigcup_{k=1}^{n_{j+1}}V_k$が成り立つ.$\square$