最大公約数



最大公約数

$R$をPIDとする.$R$の単元倍で移り合う元を同一視した集合$R/R^\times$を考える.$a\in R$で代表される同値類を$\overline{a}$と書くことにする.PIDの素元分解の存在と一意性により,各$a\neq 0$に対して素元によって代表される$R/R^\times$の元の重複組合せ$\overline{p_1},\ldots,\overline{p_n}$がただ一通り存在して$\overline{a}=\overline{p_1\cdots p_n}$を満たす.但し$a$が単元の場合は$\varnothing$が対応するものとする.一つ以上の$R$の$0$でない元$a_1,\ldots,a_s$に対し,$a_1,\ldots,a_s$をそれぞれ素元分解したときに出てくる素元の重複組合せすべての共通部分をとって掛け合わせたものを$a_1,\ldots,a_s$の最大公約数といい,$\operatorname{gcd}(a_1,\ldots,a_s)$で表す.